京提灯

僕の実家は京都の外れなんだけれど、たまに帰省すると
親や彼女を連れて先斗町の辺りで飲んだりするのが習慣だ。
親を連れてこういうところで飲めるようになると僕も大人になったなと
実感させられる。店は予め予約することもあるけれど、軒先の
提灯に寄せられて店に入ることもしばしばある。
この正月に帰ったときもそうだった。軽く湿った空気の中で
蛍の尾のような微かに瞬く光に惹かれて入った。あまりにその提灯が見事。
かすかに揺れるほのかな光。しかしてその小さな光も京都の文化なのだ。
京の提灯ってのは歴史もある。東京に雷門ってのがあるが、あれも
実は京提灯だ。京都の職人が手入れしてまた東京に運んでいるのだ。
この提灯も店の宣伝でもあるのだろうが、広告にも神が宿っている気がした。